山椒の小部屋

JAPANESE PEPPER ROOM

vol.09

実山椒佃煮の作り方について

山椒果実は収穫時期によって、利用方法が異なります。(山椒の小部屋:山椒の四季について 参照)今回は実山椒佃煮の作り方をご紹介いたします。関東地方ではあまり馴染みのない佃煮かもしれませんが、関西地方では佃煮の定番です。そのままご飯に乗せて食べても美味しいですが、お魚・お肉を煮る時や、和え物として隠し味に使うと、驚くほど風味が良くなります。佃煮に使う実山椒は埼玉県では、5月中旬~6月上旬までに収穫したものを利用します。果実の中の種が白く柔らかいうちが、佃煮に適しています。種が黒くなると、硬くなり歯ざわりが悪くなります。大変ですが実に付いている小さな枝を取ると、見た目が綺麗です。


■実山椒佃煮の作り方

  1. 収穫した果実は出来るだけ早く、下茹でします。水から果実を入れ、ひと煮立ちしたら水に晒します。【写真1】
  2. この茹で溢しを2~3回行ないます。茹で溢し回数はお好みですが、回数を多くすると香りと辛味が弱くなります。味見をして決めてください。 
  3. このまま一晩置くと、アクが良く抜けます。 
  4. 果実の水分を飛ばし、やわらかい口当たりにする為に約10分蒸します。【写真2】 
  5. 調味液を合わせ(表1を参照)、果実を入れます。弱火で調味液を良く染み込ませてください。この時、アクがでますから、丁寧にアク取りを行ないます。【写真3】 
  6. アクが出なくなったら、火を止め冷まします。冷めているときに調味料の味が山椒果実にしみ込みます。 
  7. 果実を調味液から引き上げます。 
  8. 調味液を煮詰めます。煮詰めるほど味が濃くなりますので、味見をして、煮詰め具合を決めて下さい。 
  9. 果実と調味液を合わせます。 


出来上がった佃煮は、タッパーウェアなどに入れ、冷蔵庫や冷凍庫で保管してください。

冷凍庫に入れて、使う分だけ解凍すると、風味が長持ちします。