山椒の小部屋

JAPANESE PEPPER ROOM

vol.05

山椒の香りについて

うなぎの蒲焼に無くてはならないのが粉山椒です。川魚特有の匂いを上品な香りで包み込む、貴重な香辛料です。胡椒や唐辛子では、こうはいきません。


山椒の香り成分は「シトロネラール」「ゲラ二オール」「リナロール」などといわれる油です。これらの油が多いほど、香り高い粉山椒になります。それぞれ一つずつ、化学合成された単品の油の香りを嗅いだ事がありますが、どれも山椒の香りではありませんでした。山椒香は、様々な香り成分が組み合わさってできているようです。

この油ですが熱に弱く、常温でもすぐに蒸発してしまいます。ご家庭で粉山椒を保存する場合は、冷蔵もしくは冷凍にしておくと、良い香りが長持ちします。


山椒と花椒は香りが異なります。ブドウ山椒にはゲラニール・アセテートが、花椒にはリナリール・アセテートが多く含まれます。山椒に比べて花椒は香水のような香りがするようです。


(参考文献 Natural Medicines 51(3),249-258(1997))